平成21年4月 金ヶ崎町 認定農業者 石母田れい子さん インデックスページへ戻る
金ヶ崎町 認定農業者 石母田れい子さん
金ヶ崎町の農業委員で、認定農業者の石母田れい子さんにお話を伺いました。

石母田れい子さん

 「こんにちは、今日はよろしくお願いします」。
 笑顔とともに差し出された名刺。表書きには「水稲専業 家族経営協定締結農家 石母田れい子」とある。しかし、これは石母田さんのプロフィールの一部。名刺の裏には、農業農村指導士・農業委員・水沢地方農業担い手女性塾生・認定農業者…実に様々な活動が記されているのだ。


石母田家の家族経営協定書。家族で話し合いながら改善を重ねてきた


家族経営改善計画書の認定書、農業普及貢献への感謝状

「名刺は、農業改良普及員に『自分を知ってもらうためだから』と勧められて作ったもの。でも、この名刺がひとつの“きっかけ”になった気がしますね」。
 石母田れい子さんは、平成8年に金ヶ崎町ではいち早く家族経営協定を結び、農業者年金に加入した女性農業者第一号。その後、夫の勇作さんとともに農業経営の改善・拡大に取り組みながら平成14年には農業委員にもなり、同年金ヶ崎で設立された家族経営協定協議会員として町内農家の協定締結を推進してきた。また翌15年には夫婦の共同申請で認定農業者になったのを契機に、地区内では初めてのブルーベリー栽培を開始するなど、積極的に農業経営に関わる女性農業者のパイオニア的存在としてアクティブに活動している。


ブルーベリーは約50本栽培。
昨年から待望の収穫が始まった


将来はブルーベリーの加工も手がけたいと夢は膨らむ

 そのスタートが、平成4年に誕生した「水沢地方農業担い手女性塾」に参加した際、勇作さんと一緒に初めて名刺を作ったこと。「農家には肩書などないけれど、名刺を作り人に渡すようになったことで気持ちが変わり、自分も責任を持てる仕事がほしいと思うようになった」と振り返る。
 家族経営協定の締結もまた、自立した農業者としての権利を求めた結果。それまで経営主の男性しか加入できなかった農業者年金に対し「同じ農業をしているのに女性は入れないのは何故だろう」と疑問を感じていたところ制度の改定を知り、率先して締結を行い加入した。農業委員や認定農業者になったのも、農業経営や地域振興へも女性の「声」を届けたいと思ったからだ。


水に恵まれた金ヶ崎町。
石母田さんの自宅にもため池が


水稲の育苗ハウスを利用して
新野菜・プチヴェールを栽培

 そんな石母田さんの「声」は、地域と家族に風を吹き込んできた。平成14年に16組だった家族経営協定の締結農家は、石母田さん夫婦の働きかけにより今春には49組に増え、最近は相談を受けることも増えた。また地域の小学校で米づくり体験を指導し、子供たちに食のたいせつさを伝えるとともに後継者育成にも繋げる活動も始めている。自家の農業経営に関しても、5カ年計画書とは別に単年度の実行計画書を作り1年の目標を設定。所得の向上はもちろん、生活面の分担も明確にしたことで勇作さんも家事をするようになり「家族の形も変わった」と微笑む。


約5000本の原木しいたけも栽培。
こちらは勇作さんの担当


45人の正組合員で運営される
常設の「産直ろくちゃん」

 昨年8月六原にオープンした「産直ろくちゃん」も、高まりつつある地域の活力を象徴している。旧六原支所の店舗を改装した店内には、野菜やりんご、米や花きなど豊富な地場農産物のほか餅や総菜など加工品も並ぶ。お盆や秋にはさまざまなイベントも行い、また今年中には総菜工房や菓子工房も誕生する計画。中心メンバーは40代から60代と地域農業を担う現役世代であり、45人の組合員のうち10世帯が家族経営協定を結んでいるという。もちろん石母田さんも、組合長である夫の勇作さんとともに産直運営に精力的に取り組んでいる。


広い店内には農産物ほか
女性たちの手作り品も並ぶ


3月末でもこれだけの品揃え。
春には山菜、秋はキノコが登場


個人工房を持つ組合員による総菜や
菓子類も人気


店内には小菊などの切り花、
店外には春の花苗が

 「周りの協力があったからここまできた」と石母田さん。それは発言力を学んだ女性塾、共に地域づくりに取り組んできた集落の人々であり、なにより励まし支えてくれてきたパートナー勇作さんの存在だ。もちろんそこには経営の勉強や農業技術の向上に取り組むなど、石母田さん自身のたゆまぬ努力があった。「だから一番、自分で自分の変化に驚いてますよ」。石母田さんが笑う。
 まずは自分自身が変わること。それは女性農業者の地位向上や地域農業の未来をも変えていくことを、石母田さんのはつらつとした笑顔が確かに証明していた。


町内はもとより北上市からも常連客が訪れる


「産直ろくちゃん」のメンバー。左より、千葉登さん、店長の石母田香代子さん、石母田れい子さん、副組合長兼事務局長の高橋嘉産さん

「産直ろくちゃん」の場所と連絡先

住所:岩手県胆沢郡金ヶ崎町六原二の町表215-1
TEL:0197-43-3201(六原地区農業振興会館)

案内図
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