平成20年5月 大船渡市 農家レストラン「味どころ 休石」 インデックスページへ戻る
大船渡市 農家レストラン「味どころ 休石」
農家レストラン「味どころ休石」代表の休石璀子さんにお話を伺いました。

休石璀子さん

 間近に仰ぎ見る五葉山と、それに連なる大小の山々にぐるりを囲まれた大船渡市日頃市町。鷹生川に沿って14の集落が点在するここは、港のざわめきからも遠く離れた純農村地帯である。
「でも山の中の、こんな小さな集落でやるからこそいいんじゃないかな」。三角巾に赤いエプロンの“ユニフォーム”で朗らかに話すのは、鷹生集落にある農家レストラン「味どころ休石」代表の休石璀子さん。同レストランは、休石さんほか集落の農家女性7人が平成17年1月に結成した地産地消グループ「たんぽぽの会」が運営している。そのオープンはグループ結成からわずか2ヶ月後の3月という早さだが、ここに至るまでには10年以上に渡る地域おこし活動の実績があった。


築300~400年という休石さんの旧宅を一部改装し、農家レストランにした


目印は壁の看板とこのオレンジののれん。県外からも客が訪れる

 スタートは平成6年、休石さんらは食の伝承活動として「手打ちそば」や「きびだんご(お汁粉)」など、日頃市に昔から伝わる郷土料理を作って住民への提供を始めた。それは県営鷹生ダムの建設計画を受け高まっていた地域活性化への期待や気運とも結びつき、集落全体へと拡大。平成8年からは郷土料理や産米、野菜などの販売を行う「鷹生ふるさと味まつり」も始まり、町外からも多くの人が集落を訪れるようになった。そして平成16年には日頃市町のモデルコミュニティ計画事業のひとつとして、全集落に伝わる郷土料理レシピ集「てんこもり」が2年の編集作業の末に発刊された。「味どころ休石」の開店は、それらの活動に関わってきた休石さん達の「郷土料理が常時食べられる場所が欲しい」という思いの結実なのである。


養蚕農家だったころの面影が残る、温かな旧家の雰囲気の店内


厨房のみ使い勝手を考えて広く改装した


地域の旬の食材を使うため、どんな料理が並ぶかはお楽しみ


「たんぽぽお膳」。この日は山芋饅頭団子、ゴボウの田楽味噌などが

 休石さんの旧宅を利用した店舗は、居間中央に掘られた囲炉裏や調度品に懐かしい暮らしの記憶がそのまま残るたたずまい。10人の予約が入っていたこの日、厨房では休石さんほか4人の会員が調理の真っ最中。長年の活動の賜物なのだろう、てきぱきと息のあった仕事ぶりだ。「鷹生は地域の結束力が強いの。みんな昔からの顔なじみだからね」と休石さんが話す。


大船渡市盛町からのお客様は「何食べてもおいしいね」と舌鼓


会話も「味どころ休石」のおもてなし。食材の話から世間話など尽きない

 そんな家族的な雰囲気と旧家の懐かしさに加え、料理にも地域の魅力があふれている。看板メニュー「たんぽぽお膳」は、五穀ごはんに手打ちそばなど雑穀料理を中心にした9品。日頃市の昔ながらの味はもちろん、五穀ごはんと長芋を合わせた「五穀フライ」などの創作料理やデザートまで並ぶ。地場産の素材を使い、その持ち味を活かすよう出汁や味付けにもこだわった料理は、身体にすーっと染み渡るようなやさしい味わい。「このそば、美味しい!」「薄い味付けだからいいね」。テーブルについた客からも、口々に感想と笑みがこぼれる。「私たちはさ、地のものを使って美味しいものを作るのが好きなのさ。それで役に立てるだけで充分」。そう応える休石さん自身も実に楽しそうだ。こんな笑顔とふれあいも、「味どころ休石」の魅力なのである。


お客様が帰ってからがメンバーの昼食タイム。これも楽しみのひとつ?


玄関の三和土には雑穀などの販売コーナーが

 レストランの開店により、集落では雑穀や野菜の作付け面積が大きく増えたという。さらに休石さん達、地域の小中学校で野菜の栽培や豆腐づくりなどの食育実習にもひと役買っている。郷土料理の復興から始まった活動がいま、地域そして住民の活力を引き出す源になっている。
 レストランは完全予約制で、平日は10人以上、土日は4人以上の予約に対応。


玄関脇には昨年収穫したタカキビ。食材を知ってもらうのも大事


テーブルには野草や山菜などを飾り、目でも地域の食材を感じてもらう


休石さんは「食の匠」認定者。18年度にはグループで「女性アグリビジネス活動表彰」も受けた


写真左より、休石璀子さん、鈴木真知子さん、佐藤勝代さん、佐藤ミキ子さん

農家レストラン「味どころ 休石」の場所と連絡先

住所:岩手県大船渡市日頃市町大迎30-3
TEL:0192-28-2016

案内図
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