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「いらっしゃいませ!」。
明るい声に出迎えられた「あいさい館」。その店内は、開店して30分ほどながら既に買い物客でにぎわっていた。普段着姿の女性たち、リンゴの品定めをしているご夫婦、スーツや作業着姿の男性もカゴを手に店内をめぐり、次々に清算を済まし店を出ていく。その後ろ姿にも「ありがとうございます!」と、元気な声がかけられる。
「また来たくなるような産直にしたいから、挨拶や笑顔を大事にしているんですよ」。出入口で客を見送りながら、そう説明してくれる産直組合長の中村エチさんも、もちろん笑顔を絶やさない。それは見ているだけでも実に気持ちいい接客だ。
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プレハブ造りの建物はほぼ組合員の手づくりという「あいさい館」
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豊富な品揃え。交流のある石垣島の産品や種市の姉妹産直からの海産物も並ぶ
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産直「あいさい館」は、農業を中心にした上鹿妻地区の地域づくりに取り組む「上鹿妻第一地区協同組合」の下部組織として平成12年にオープンした。30戸の組合員は夫婦単位の構成で、施設維持や生産は男性が、販売は女性組合員が担当するスタイル。「自分たちの力で地域活性に取り組もう」と、およそ100m2の施設建物も組合員の出資金だけで作り上げるなど、誕生当初から自立した運営を行い、売り上げも順調に推移している。
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豊富な品揃え。交流のある石垣島の産品や種市の姉妹産直からの海産物も並ぶ
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冬はほうれんそうや小松菜、春菊、レタス、タアサイなど葉もの野菜が充実
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中村さん自家製の漬け物ほか懐かしいたぐりあめも人気商品
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米どころならではのおにぎり。昼時はこれを目当てに訪れる人も
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この安定した運営を支えるのが、計画的な生産に基づく品揃えの豊富さ。年間を通して店頭に並ぶのは米やリンゴのほか、朝採りにこだわった新鮮野菜。「秋から春先までの約半年間はハウスで葉もの野菜を育ててるし、リンゴも冬場には保存の効く小粒なものをまとめて安く出すようにしています。それに加工の会員も餅菓子類に漬け物、そして納豆と揃っています」と中村さん。冬場でも95%が地区内の産物で占められるのは、組合員の様々な工夫と努力の成果なのである。
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季節限定品の「花まんじゅう」も手づくりの優しい味
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村上祐子さんが作る大ヒット商品「村上家の納豆」は安全にこだわった逸品
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この品揃えに加えて中村さんらが気を配るのが、前述の元気な接客だ。しかもその取り組みは、専門講師を招いて接遇マナーや言葉遣いの講習会を開くという本格派。さらに店内清掃や商品包装などの衛生管理も細やかに行っている。「ある意味産直らしくないかも」と中村さんは笑いつつ、「でも産直だから『土臭くて当たり前』じゃいけない」ときっぱり。「大切なのは、お客様にとってまた欲しくなる品物とまた会いたくなる雰囲気があること。だから品物にも接客にも、きちんと手をかけるんです」と話す。客の希望や満足感も満たす商売の基本は、産直でも同じなのである。
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産直名物「あいさい袋」は10個以上のリンゴが入ってたった500円!
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「あ、あった!よかった」とお目当ての品の前に。常連客はとても多い
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「あいさい館」が出来てから8年。誕生以来のメンバーはもちろん、今では地域の若者や高齢者も積極的に関わるようになり、産直活動はますます活発に広がっているという。それゆえ法人にという期待もあるが、中村さんは「地域のみんなが幸せになるために続けていくだけだから」と微笑む。
これまでも、そしてきっとこれからも。中村さんら組合員の「地域への思い」は変わらないだろう。
「あいさい館」の営業時間は9時30分から18時までで、毎月第1・第3月曜が定休日。
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笑顔とテキパキした接客がモットー。会話も弾む
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1組合員の担当は3カゴ。夏場には下の棚にも品物があふれる
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2週間に1回は全員で店内の大掃除。清潔あふれる店内
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写真左より、中村恵美子さん、村上トシ子さん、村上祐子さん、中村エチさん
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