平成20年1月 一関市東山町 「季節館食堂」 インデックスページへ戻る
一関市東山町「季節館食堂」
「季節館食堂」代表の那須佳子さんにお話を伺いました。

那須佳子さん

 一関市東山町では、小麦粉をこねて作った生地のことを昔から「はっと」と呼ぶ。なかでも伸したはっとを細長く切って茹でる「きりばっと」は、温かいつゆをかけたりざるそば風にしたり、小豆ぜんざいにも入れて食べられている。
「でも最近は、家で作る人はあまりいなくなって。だからみんな懐かしがって食べていきます」。


オープンは平成6年、旬の野菜が豊富な「協同組合産直センターひがしやま 季節館」


4テーブル、16人掛けのこじんまりした「季節館食堂」

 湯気の立つ大鍋の前で話すのは「季節館食堂」代表の那須佳子さん。見守る鍋の中には、さっき切ったばかりのはっとがぐらぐらと踊っている。JR大船渡線柴宿駅からほど近い「協同組合産直センターひがしやま・季節館」の一角にあるここは、今や地域内でも珍しくなりつつある郷土食「はっと」が気軽に食べられると評判の一軒である。


足で踏んで一晩ねかせたはっと生地はコシの強さが持ち味


茹でたのち冷水でしめることでさらにモチモチに

 食堂を運営するのは、平成9年にきりばっとで「食の匠」認定を受けた加工グループ「手づくり伝承の会」内の有志8人。「伝統の味を食べてもらう場を」と産直の加工施設移転にともなって空いたスペースを改装し、平成19年2月にオープンさせた。「最初の頃は、挨拶もメニュー取りも『誰が行く?』という具合。段取りをつかむまで大変でしたが、みんなお客様と話すのは好きなので」と那須さん。初めて訪れたのに居心地がよいのは、そんなメンバーの笑顔と朗らかさゆえだ。


惣菜や菓子類など加工品の多さも「季節館」の人気の秘密


産直内には食堂の惣菜コーナーもある

 温かな雰囲気に加え、家庭的な味わいも魅力。メニューには「きりばっと」やすいとん風の「はっと汁」、おやつ感覚の「あずきばっと」のほかおにぎりやカレーライスなど馴染み深い軽食が並ぶ。また産直に並ぶ惣菜もメンバーの手作りで、この日は「伝承の会」会長の佐藤とし子さん、高金成子さんらも厨房に。産直に並ぶ野菜などを使い、各自で工夫して作るため献立はその日次第だが、旬の野菜を生かした惣菜はどれも優しい“おふくろの味”。「傷があったり見た目が悪くても野菜の美味しさは変わらない。勿体ないからどんどん使うようにしています」と那須さんは言う。生産者でもあるからこそ、食べ物を大事にする思いはいっそう強い。


出来立てからパック詰めにして店頭に並べる


旬の大根を使った煮物。懐かしい家庭の味

 「さあどうぞ」。那須さんにすすめられ、出来立てのきりばっとを味わった。はっとの力強いコシと小麦の香りがしょうゆの出汁に溢れ出し、しみじみと美味しい。具はあえて少なめにし、はっとそのものの味を楽しむのが季節館食堂のスタイル。だから何度でも食べたくなるのである。


柔らかくてほどよい甘さが人気の「あずきばっと」。小豆ももちろん自家製


シンプルな具材でうまさが引き立つ「きりばっと」


ちぎったはっとと野菜を煮込んだ「はっと汁」も格別な味わい


出来立てのおから。作る人によって味が違うのも楽しい

 オープンから1年あまり経ち、農繁期の当番のやりくりなどまだ試行錯誤の部分もあるが「色々な人と知り合いになれたのは食堂のお陰」と那須さんは微笑む。そんな出会いと情報交換の場としての期待も大きく、産直組合副理事の那須元一さんは「ここでしか食べられないメニューも作ってほしい」と話す。「だからもっと勉強をしていかなくちゃ」。口々に話すメンバーもみな笑顔だった。
 季節館食堂の営業は11時から14時まで。火曜日定休。


食堂内には「食の匠」の盾が飾られている


写真左より、高金成子さん、那須佳子さん、菅原ヤス子さん、佐藤とし子さん、佐藤洋子さん

「季節館食堂」の場所と連絡先

住所:岩手県一関市東山町長坂字柴宿80-2
TEL:0191-47-2919
(協同組合産直センターひがしやま「季節館」)

案内図
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