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しゅんしゅんと蒸気を上げる大きな釜から、蒸し上がったばかりの大豆が現れた。すぐさまざあっと、ステンレスの作業台にあけられる。
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加工場の2階は休憩所。研修宿泊所にも利用されている
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「一生懸命作った豆が美味しい味噌になって恩返ししてくれる」が商品名の由来
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ひときわ大きな湯気と一緒に、甘くてふくよかな豆の香りが工房に充満する。温かくて懐かしくて、とてもやさしい香り。湯気の向こうでは、白衣姿の4人の女性が忙しく立ち働いている。ここは八幡平市大更の北村地区にある「手づくり工房キタムラ」。今は寒仕込み味噌造りの真っ最中なのだ。
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火加減や出来具合いを見ながら大豆を蒸し上げる
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蒸し上がった大豆は菓子のように甘くて柔らか
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作業台に乗せたらら素早く混ぜて粗熱をとる
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加える麹もメンバーが育てた米を使っている
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工房を運営する加工団体「アニモ・マザー」は平成12年に結成された。メンバーは集落の専業農家の主婦たちで、農閑期の冬場に転作大豆を利用した味噌の加工販売を行っている。「私達がやらなきゃ味噌造りの伝統が途絶えてしまう」。そんな思いが代表の工藤秋子さんはじめ皆にもあったという。
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ミンチされた味噌のタネは手早くみそ玉にする
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みそ玉は樽に入れて熟成へ。重しを載せて固めに仕上げるという
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粗熱を取った大豆は手作りの麹や塩などを合わせて撹拌。そののちミンチ機にかけてみそ玉を作り、樽でじっくり熟成させる。完全手作り・無添加の安心感はもちろんだが、一度食べて「ここの味噌じゃないと」と味に惚れ込み訪れる常連が多く、今では「道の駅にしね」での販売ほか地元小学校の給食にも使われている。また材料の持ち込みによる賃加工も受けつけている。
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「がんづき」は直径15cmもあるビッグサイズ。さっくりした生地が美味しいと評判だ
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香ばしく甘い味噌だれの「みそっ娘餅」はオリジナル商品
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味噌以外の加工品も人気だ。カステラ風の軽い口当たりの「がんづき」はじめパリパリ食感の「かりんとう」、自家製味噌を塗って香ばしく焼き上げた「みそっ娘餅」、大きなイチゴが丸ごと入った「いちご大福」など。「お客さんの声に応えたいと色々と挑戦しています(工藤さん)」と、郷土の味を取り入れながらも新しいアイデアでオリジナル商品作りに取り組んでいる。
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さっくり、甘さは控えめな「かりんとう」
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「いちご大福」には朝採りの新鮮なイチゴを使う
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農繁期の夏、加工は休みになるが、「道の駅にしね」はじめ工藤さん夫婦が経営するイチゴや花苗・野菜などの農園直売所「彩花園」のイベントには全員参加し、味噌焼きおにぎりや餅などを販売する。息の長い活動の秘けつは「無理をせず楽しく」というモットーに加え、メンバーの結束力の固さ。加工場の作業日誌に書かれた、それぞれへの労りの言葉からもそれが伺える。「工房に来ればいつも仲間がいる。地域の女性たちがまとまる場所作りという目的が達成できたのがなによりうれしい」と工藤さんは微笑んだ。
アニモ・マザーの「アニモ」とは「頑張れ」の意味。頑張るお母さんたちの作る食べ物が美味しいのは、たっぷりの「愛情」という隠し味のおかげだ。
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2L〜3Lサイズのイチゴ入り。大きさに感動
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左手前から、高橋凉子さん、高橋一枝さん。後ろ左から、遠藤昭子さん、工藤ミエ子さん。6〜9人の仲間で作業を行う
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