平成17年11月 遠野市 農家レストラン「夢咲き茶屋」 インデックスページへ戻る
遠野市 農家レストラン「夢咲き茶屋」
農家レストラン「夢咲き茶屋」代表の菊池ナヨさんにお話を伺いました。

菊池ナヨさん

 国道396号沿い、遠野市街を見下ろす綾織地区にある道の駅「遠野風の丘」。多くの人が立ち寄るこの人気スポットに“行列のできる店”がある。


ドライバーや観光客が次々立ち寄る道の駅「遠野風の丘」


販売コーナーと背後の加工場を合わせても5坪ほどの「夢咲き茶屋」

 道の駅の軒を借りるように建つ間口二間ほどの小さな店。カウンターの向こうでは、姉さん被りの手ぬぐいに絣のモンペ姿の女性たちが次々訪れる客の注文を手際よくさばいている。そばつゆや焼きおにぎりのいい香り、湯気をたてるおでん鍋…。笑顔と活気、そして温もりがいっぱいのこの店―「夢咲き茶屋」は、全国初の田んぼの中のトイレ設置など、農村の女性活動の先駆け的存在として知られる「あやおり夢を咲かせる女性の会」が運営する郷土食の販売店である。


午前中から次々客が訪れ、昼には行列ができることも


リピーターも多いのが特徴。なじみ客とは話も弾む

 同会の誕生は平成6年のこと。女性による地域づくりという「夢」を掲げ、代表の菊池ナヨさんを中心に地域の農家の女性33人で環境美化はじめ伝統文化の継承や見直しなどの多彩な活動を行ってきた。平成10年に開店した夢咲き茶屋は、会員が描いていた「郷土食の伝承」と「女性の働く場づくり」というふたつの夢が、その名の通り花開いた店だ。


製造・販売は日替わり担当制。全員が作れるようレシピもマニュアル化している


おでんはお客さんの要望から生まれた大ヒット商品


自慢の出汁でじっくりとていねいに煮込む


出汁がしみこんだおでんはボリュームもたっぷり

 提供するのはそばやおにぎりはじめ「かねなり」「きりせんしょ」など遠野伝統の餅菓子類で、会の発足以来研修と試作を重ねて作り上げたもの。いずれも昔ながらのシンプルな味付けで食材の美味しさを引き出し、「食べ飽きない」とリピーターは増える一方。中でもかねなりときりせんしょは会員がそれぞれのレシピを持ち寄り、味や形など徹底研究して「これ」というものを商品化した品で、今や地域の冠婚葬祭の定番に。うるち米のやさしい甘さと歯ごたえがよく「遠野で一番美味しいと言われます」と菊池さんも胸を張る。


かきあげが載った天ぷらそばは人気商品のひとつ


うるち米粉を蒸してからかたち作るきりせんしょ(手前)とかねなり

 店の運営方法も先進的だ。農村女性による飲食店や産直運営は珍しくないが、夢咲き茶屋では会員が出資して企業組合という法人を立ち上げている。製造・販売は菊池さんら4人の理事を中心に、三勤一休制(三日働いて一日休む)のローテーション。働いた分は給料として各人の預金通帳に振り込まれ、食材は会員はもとより地域の農業グループからも仕入れて地域振興に貢献している。この明快できちんとした組織運営は会員の結束を生み出し、地域興しの発信源にと「北東北ナベナベサミット」の企画運営や周囲の活動団体と取り組む「あやおり復活プロジェクト」など、新しい挑戦に向かう原動力にもなっている。


会員が作った米を使ったおにぎり。ご飯の美味しさをしみじみ実感


そばとおにぎりに日替わりの総菜がつく「気まぐれランチ」

 「旬に味わった美味しさが『一生の味』になる。そんな料理を作って伝えていくことが私たちの役目かな」と語る菊池さん。食文化の発信は、次世代へ郷土の宝を残すということだ。

 未来につながる地域おこし―小さな店で描く33人の女性たちの夢は、とびきり大きい。


土日は店前のテントでも販売。餅つき体験も行われる


左から、菊池ナヨさん、鈴木身知子さん、松田常子さん、藤原京子さん

「夢咲き茶屋」の場所と連絡先

住所:岩手県遠野市綾織町新里8-2-1
TEL:0198-62-7714

案内図
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