平成22年7月 西和賀町立猿橋小学校
じゅわっと美味しい!沢内おでん
町内産あきたこまちのご飯と
おでんの組み合わせ
ある程度水分を残して作った凍み大根
くつくつと湯気を上げる大釜から漂ってくるいい香り。どこか懐かしさも感じさせるその香りの正体は、大ぶりに切られた凍み大根である。「今年用に干した大根はおよそ100キロ。でも1月末から4月までの間にほとんど使い切ってしまいます」。そう教えてくれたのは、西和賀町沢内学校給食共同調理場の栄養教諭、小澤理恵さん。ここ西和賀町沢内地区では冬の寒さを利用した凍み大根づくりがさかんであり、調理場でも毎年大根を干している。「なかには大根の乾燥状態を毎日記録する児童もいるなど、地域の子どもたちは総じて食への意識は高い。私も、毎日の給食が食農の教材になるようにバランスなどもすぐにわかる献立を作るようにしています」。町をあげて食農に取り組む西和賀町、その重要な役割を担っている学校給食を提供していく側の責任を、小澤さんは心に刻んでいるようだ。
凍み大根からもじっくりと旨味を引き出す
沢内地区の5つの小中学校合わせた約300食を調理
給食配送は11時頃スタート。
手早く準備
この日の献立は、麦ご飯、沢内おでん、チキンみそカツ、おかか和え、デザートのみかん。
凍み大根を使った郷土料理でもっともポピュラーなものはゴボウと豚肉と合わせた炒り煮だが、この日は厚揚げやシイタケなどと煮込んだ、その名も「沢内おでん」にアレンジ。「おでんにしたのは調理員さんのアイデアですし、元々西和賀は食農に関する情報や人材も豊富」と小澤さんはいう。通年使用する西和賀産農産物は米や古代米と牛乳であり、わらびやぜんまい、ふきの水煮など加工品も地場産だ。季節野菜などは、西和賀地区生活研究グループの協力で可能な限り使ってきた。そんな給食現場の様子について、昨年10月の農業まつりでは給食の実物を展示してPRし、また毎月「西和賀給食の日」を設けるなど地産地消や食農への取り組みを重ねてきた。平成22年度からは地場野菜の安定供給に向けた取り組みがスタート。当初は数品目に限っての試験的な納品だが「もっといろいろな地場産食材供給へ結びつけば」と、小澤さんは期待している。
沢内の味を作る6人の調理員さんたち
学校栄養教諭の小澤理恵さん。
「伝統の味も伝えたいです」
調理現場が近いから
感謝の心も育まれる
食農に関しての学校公開の実績もある猿橋小学校。10年以上に亘って3年生以上の全児童が稲作に取り組み、1、2年生も畑を借りて大豆を育て、食の匠の指導を受けながら豆腐づくりに挑戦する。毎年11月に行われる「収穫感謝祭」は地域と学校がひとつになる行事で、手紙の贈呈や餅つき、会食など実に盛大だ。また教職員や調理員と一緒に給食を食べる交流会も恒例で、小澤さんは「いずれは生産者も交えた交流会もしたい」と考えているという。
野菜の旨味が染み込んだ
「沢内おでん」
「2年生です、いただきます!」
小澤さんに元気に挨拶
沢内おでんのだしがじゅわっ。
「おいしーい!」
「いただきまーす!」手を合わせ、大盛りご飯や沢内おでんをほおばる子どもたちの元気な食欲は、毎日の学習や地域との交流のなかで、生産者や調理する人々へ感謝の心が生まれている証ともいえそう。「野菜が好き!」「ご飯も大好き!!」。低学年の子どもたちも笑顔いっぱいで応えてくれた。凍み大根はじめ山菜類や納豆汁など、山里ならではの食材も多い西和賀町。地域の食文化を受け継ぎ、守っていく子どもたちはみんな元気で健やかだった。
凍み大根は沢内の定番。
カレーにも入ってます
低学年も地域と食について
きちんと学んでいる
沢内地区では子どもたちが
お弁当を作る日もある
マラソン大会は金メダル。
みかんをメダルに
(取材日/3月8日 取材・撮影/フリーライター 井上宏美)
家庭でも作ってみよう!

| 今回の材料(約4人分) | |
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【沢内おでん】
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【作り方】沢内おでん
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