食育の面からも注目されている「身土不二」は、その土地でその季節に出来るものを食べることが身体によいとする教え。県内では学校給食現場でも地域性を活かした地産給食の取り組みが行われているが、今回の訪問地は県都盛岡市。なかでも都市部の学校給食はどんな状況だろうと、市内松園ニュータウンにある盛岡市立東松園小学校を訪れた。
ここ盛岡市では、単独調理方式(自校給食)を取っている小学校がまだまだ多い。児童348人が通う東松園小でも、栄養教諭の飛塚美智子先生が献立を構成し、3人の調理士さんが毎日の給食を作っている。食材も、特産の盛岡りんごや旬の野菜は盛岡産直部会の生産者から直接届けられる仕組み。「400食程度なら個人生産者でも供給が可能」と飛塚先生は説明する。ほかにも「きちんと手をかけられること、食材のバラエティも豊かになること」など自校給食の利点は多いといい、生産者と情報交換しながら季節を感じる給食作りに取り組んでいる。
この日の献立は、五穀ごはん、鶏肉のごま味噌焼き、ネバネバ納豆サラダ、市内玉山産の黒平豆、県産わらびの味噌汁。
「日本型食生活の基本である和食のよさを伝えたい」という飛塚先生。今年4月から米飯給食が週4回になったこともあり、「ご飯がすすむおかず」を意識している。確かに合わせ味噌で焼いた鶏肉も、わらびの味噌汁もご飯との相性は最高。また毎月の献立表に人気の高かったレシピを載せるなど家庭への働きかけにも積極的で、今回のネバネバ納豆サラダは父兄から教えてもらったメニューとか。デザートの黒平豆の甘煮は、玉山地区で昔から食べられてきた味という。地場の食材と伝統食をアレンジした和風献立は、家庭の食事にも取り入れやすそうだ。

今度の週末は運動会。
給食を食べてがんばろう! |

給食で親しんでいるためか、
みんな和食が好きという |

東松園小の給食はおいしい! |

ごちそうさま!五穀ごはんもきれいに食べたよ |
給食時間は、5年生と6年生のクラスを訪れた。いつも各学年を回って給食や献立について話すという飛塚先生、今日は身土不二について説明した。「いただきます!」しっかり手を合わせ、一心に食べる子供たち。主菜はもちろんマヨネーズとしょうゆで味付けした納豆サラダも想像以上に好評だ。食後には低学年の子供たちが「豆食べたよ!」「おいしかったよ!」と、口々に飛塚先生の周りに集まってきた。この日々のふれあいが、子供たちに食への関心や感謝の心を育んでいる。

「飛塚先生、今日もおいしかったよ」うれしい感想 |

飛塚美智子先生。「家庭に帰っていく献立作りを目指しています」 |

下久保農園ではりんごを中心に各種野菜も栽培している |
東松園小に野菜や果物を納品しているのは、市内高松にある「下久保農園」の熊谷眞紀子さん。「鮮度のいい野菜のおいしさをわかってほしい」と、市北部の8校に野菜を届け、市内の産直やスーパー等でも販売している。また子供たちや父兄の見学や農業体験も受け入れるなど食農活動にも取り組んでおり「子供たちの思いがけない言葉からヒントを得ることもあるんです」とにっこり。りんごの花も終わったほ場では、本格的な野菜の収穫シーズンまであとわずか。広大なほ場を見渡していると、飛塚先生が話してくれた「FOOD(食べ物)とは『風土』」という言葉の意味が、すっと理解できた。

野菜は眞紀子さんと娘さんの担当。結球間近のレタス |

野菜は夏休みを考慮して作付け時期を工夫している |

熊谷眞紀子さん。「野菜がどうやって出来るかも教えたいですね」 |
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