平成21年4月 紫波町学校給食センター
給食も学校生活の楽しみのひとつ


「こんにちわ!」挨拶も元気な紫波中央保育所の園児たち

野菜ほか水煮や納豆など大豆加工品も紫波町産

 北上川中流域に広がる紫波町は県下有数の米どころ。さらに奥羽山脈に接する西部地域では野菜や畜産が、北上山地をのぞむ東部地域はリンゴやブドウなどの果樹栽培が行われている。
 そんな豊富な地場産物を利用して作られている紫波町の給食は、町内14の小中学校を合わせて約3500食。この食数で米はほぼ100%が町内産でまかなわれ、野菜や果物も重量ベースでおよそ3割(平成19年度)にも達しているという。「米に野菜に果物。これだけ揃う地域は県内でもあまりないでしょう」。紫波町学校給食センターの阿部栄一所長も胸を張る地産地消の給食は、50人の組合員で組織された「紫波町学校給食食材生産供給組合」から届けられる農産物で支えられている。センターを訪れたこの日の朝は、ちょうど長岡果樹生産組合の山口貢さんが荷下ろしの真っ最中。納品口には、鮮やかな黄色の王林の甘い香りが漂っていた。


この日センターに届いたのは885個の王林

9月から翌年3月までさまざまなリンゴが届けられる

長岡果樹生産組合の山口貢さん

 この日の献立は、ご飯、山菜ひっつみ、納豆、すきこんぶの煮物、りんご。
 献立を作る主任学校栄養職員の長岡智子さんが大事にしているのは食事の組み合わせ。「好きな物や食べたい物だけでは食事がバラバラになってしまう」と、基本となる和食はもちろん、中華や洋食でも主食・主菜・副菜・汁物のバランスを意識している。また「恵まれた地場産を生かすことは地域の農業振興にも繋がるから」と週に3回以上は地場の果物をデザートに使い、山菜など季節限定の恵みが届けば当日でも献立を工夫して使う。ちなみにこの日の納豆は、紫波第二中学校の生徒たちが栽培から収穫までを手がけた大豆を加工した、町特産の「紫あ波せ(しあわせ)納豆」。子どもたちが地域の食へ積極的に関わっていく取り組みも行われている。


左は紫波二中の生徒が栽培、右は「ゆいっこの里犬草」の大豆を使った納豆

りんごは4つ割にカット。秋にはぶどうも登場する

ひっつみなど汁を吸う献立は汁の量を多めに調理

主任学校栄養職員の長岡智子さん(左)と、
学校栄養職員の西舘礼恵さん

3500食の調理を行う、ベテラン調理員のみなさん

 昨年から、紫波町学校給食センターでは就学を控えた子供たちを対象に試食会を開いている。この日訪れたのは、紫波中央保育所の園児たち。みんな完全給食を食べるのは初めてだ。「今日の野菜は近くの農家の人が丹精こめて作ったもの。大事に食べてくださいね」との阿部所長のお話に少し緊張の面持ちながら、テーブルに並んだ給食に興味津々。具沢山のひっつみ汁にも納豆にも「大好きー!」とあちこちから声が上がる。その元気な様子に、長岡さんも「おかわりは自由ですよ」とにっこり。みんなでにぎやかに初めての学校給食を味わった。


「納豆は好き!」ごはんにかける仕草も慣れたもの

紫波二中の先輩が作った納豆を「いただきま〜す!」

ご飯は町内産の特別栽培米ひとめぼれ。やっぱり美味しい

 4月からはじまる小学校生活には、勉強に友だちづくりにとさまざまな楽しみが待っている。そのひとつに、きっと「給食」も加わったことだろう。


初めての完全給食。残さないで食べられたかな?

園長先生と一緒にぱくぱく。「4月からの学校給食が楽しみ!」
家庭でも作ってみよう!

今回の材料(約4人分)

【すきこんぶの煮物】

  • 切り干し大根10グラム
  • すきこんぶ1/2枚
  • にんじん40グラム
  • さつま揚げ(小)1枚
  • しらす干し10グラム
  • 青大豆(ゆで)20グラム
  • みりん大さじ1
  • 酒大さじ2
  • しょうゆ大さじ4
  • 和風だし少々

【山菜ひっつみ】

  • ひっつみ(小麦粉400グラム、塩少々、水200cc)
  • 鶏もも肉160グラム
  • ごぼう70グラム
  • にんじん40グラム
  • だいこん150グラム
  • ぶなしめじ40グラム
  • わらび(水煮)50グラム
  • ふき(水煮)50グラム
  • 干ししいたけ4枚
  • 油揚げ1/2枚
  • ねぎ1/2本
  • 酒100cc
  • しょうゆ90cc
  • だし汁2.5リットル
  • 塩少々

【作り方】

すきこんぶの煮物

  1. 切り干し大根は、さっと洗ってもどしておく。
  2. すきこんぶは、適当な大きさにちぎって、もどしておく。
  3. にんじんは千切り、さつま揚げは熱湯をかけて油抜きをし、短冊に切っておく。
  4. 切り干し大根、にんじん、すきこんぶにひたひたに水を加えて軟らかくなるまで煮る。
  5. Cにさつま揚げ、しらす干し、ゆで大豆、調味料を加えて煮汁がなくなるまで煮る。

●大豆の煮方

  1. 大豆をきれいに洗う(きれいに見えても水洗いしてあるわけではないので、必ず洗うこと)。
  2. 鍋に入れ、豆の量の4倍くらいの水に一晩つけておく。
  3. 翌日は、つけ汁ごと(蓋をしないで)中火にかける。
  4. 煮たってきたらアクをとり、浮いている豆が沈む程度の水を静かに入れる(これを「差し水」という)。再び煮立ったら、豆が踊らない程度に火を弱め(ほたる火)、紙蓋をして(なければアルミ箔を円く切って所々穴をあけたものを使うか、吹きこぼれないように気をつけて鍋の蓋をしてもよい)軟らかくなるまでゆっくり煮る。
  5. 指先で豆をはさんで芯がなければ「固ゆで」、軽くつぶれるくらいになれば「軟らかく煮えた」状態(沸騰してから40分くらいで硬さを確認するとよい)。
    ※煮方のポイント…煮る時に、水に対して0.3%の重曹を加えると早く柔らかくなります(この場合、汁を捨て、一度洗ってから調味) 。なお圧力鍋を使うとさらに早くでき、保温調理鍋を使えば、でかける時にスイッチを入れておいて帰ってからすぐ調理にとりかかれて便利。

山菜ひっつみ

  1. 200ccの水に1つまみの塩を入れ、少しずつ小麦粉に加えながらよくしとねる(水の量は、しとねる具合をみながら入れすぎないように注意する)。
  2. 20分ほどしとねて、耳たぶくらいの硬さになり、つやが出てなめらかになったら丸くまとめ、表面が乾燥しないように固く絞った濡れ布巾をかけて冷蔵庫で2時間程度生地をねかせておく(かぶるくらいの水に浸けておいてもよい)。
  3. 材料を準備する。
    鶏肉…皮と脂肪を取り除いて一口大に切る。ごぼう…皮をこそげてささがきにし、アク抜きをしておく。にんじん…4ミリくらいの厚さのいちょう切り。大根…6ミリくらいの厚さのいちょう切り。ぶなしめじ…石づきを取り、ほぐしておく。わらび…3センチくらいの長さに切る。ふき…すじを取って3センチくらいの長さに切っておく。干ししいたけ…もどして軸を取り、スライスしておく。油揚げ…短冊に切って油抜きしておく。ねぎ…斜め薄切りにしておく。
  4. だし汁を熱くして、ごぼうを入れる。ごぼうが柔らかくなったら、にんじん、大根、鶏肉、干ししいたけ、ぶなしめじ、油揚げ、わらび、ふきの順に材料を加えて煮ていく。
  5. 調味料を加えて味付けをし、ひっつみ生地を薄く延ばしてちぎって入れ、煮ていく。
  6. ひっつみに火が通ったら、ねぎを加え、塩で味をととのえてできあがり。
    ※ひっつみを別の鍋でゆでてから汁に入れると、汁がにごらず、できあがりがきれいになります。

JA岩手県中央会 盛岡市大通1丁目2番1号 〒020-0022 TEL:019(626)8528
JAいわて掲載の記事・写真の無断転写を禁じます。全ての著作権はJAいわてグループに帰属します。
個人情報保護方針
お問い合わせ