晩秋から冬にかけて盛漁期を迎える三陸の鮭。岩手県では毎年11月11日の「鮭の日」に合わせて県内の小中学校で鮭をメニューに取り入れた「秋さけ学校給食の日」を実施し、子どもたちに旬の美味しさを味わう機会を提供している。今回訪れた岩泉町立学校給食センターでは、この秋さけ学校給食と一緒にセンター独自の「ふるさと給食会」を開催。こちらは岩泉の地場産品を豊富に使った特別献立で、地域の漁協や生産者などの協力のもと22年も前から行われているという。海の幸に山の幸、新鮮野菜や牛肉など、食材が豊富な岩泉ならではの取り組みだ。

美味しさには定評ある小本産の鮭。
生鮭をセンターで切り身にした |

りんごも丁寧に芯をのぞく。手間ひまかけた調理 |
センターの調理室にはそんな岩泉の恵みが勢揃い。メイン食材の鮭は、週末に小本港に水揚されたばかりの地元産。色とりどりの野菜は、町内ふたつの産直組合から届けられたもの。希少な岩泉産短角牛も、汁物にふんだんに使用する。「岩泉は普段から地場産食材の使用率が高いんです」と話す主任学校栄養職員の三田地えり子さんが作るのは、和食を基本にしたバランスのよい献立。色々な食材を取り入れ、ふるさと岩泉の味づくりに気を配っている。

この日はセンターで窯炊き炊飯。来年には炊飯システムも導入される |

調理員さん。手前左から、内村悟江さん、佐々木隆美さん、川村育子さん、出口秀子さん。後ろ左から、上野かよこさん、桜木佳奈子さん、下平永子さん、中村ミノさん、小瀬川カヨさん |

「郷土料理も取り入れた和食を心がけています」と三田地えり子さん |
この日の献立は、舞茸ごはん、田舎汁、鮭のガーリックソース、菊花和え、デザートのりんご。
センターで作る給食は、小中学校合わせておよそ980食。岩泉町は本州一の面積を有し、最も遠い学校までは片道1時間以上かかるため時間調整が重要だが、調理の手順はあくまで丁寧。「地域でとれた食材をちゃんと調理することも、スローフードの視点からは大切だから」と三田地さん。調理員さんの手際のよさとチームワークが、こだわりの手作り給食を支えている。

美味しい給食ありがとう!
感謝の気持ちでいただきます |

野菜たっぷりの田舎汁も「おいしい」とぱくぱく |
地域のお年寄りを招いて行われた小本小学校の給食会。センターからも所長補佐の小向益男さんと調理員の出口秀子さん、内村悟江さんが参加して、みんなで一緒に味わった。全校で鮭の体験授業を行い、また学校農園で野菜づくりにも取り組んでいる小本小。校長の菊池和子先生は「小本は海も山も川も、畑のことも学べる地域だから」と、場の恵みに感謝する。地域の食について授業で学び体験し、そして給食で味わっている子どもたちの美味しい笑顔も印象的だ。

元気いっぱいピースサイン。
美味しい給食パワーのお陰? |

「デザートのりんごも岩泉産!」美味しく食べました |
大牛内地区の野菜農家、佐々木徳治さんの作るニンジンは見た目の美しさはもちろんのこと、とびきり甘くて美味しいと評判の品。「野菜は水と空気と太陽があれば育つもの」と籾殻堆肥のみを使った栽培に取り組んでいるが、土づくりには人一倍の気を使うという。青々と繁ったニンジンの葉の下の土は、なるほど真綿のようにふかふかだ。さらに引き抜いたニンジンの大きさと色艶のよさにもびっくりする。「化学肥料を使わないから肥料障害も出ない。いつも、いいものが採れるんだよ」と話す佐々木さんの言葉に、自然が本来持つ力と、それを引き出す人の技を実感した。

周囲を林に囲まれた佐々木徳治さんの広大な畑 |

ニンジンほか長ネギ、長いもなど
多彩な野菜を栽培している |

手塩にかけて育てたニンジンは産直や地域のスーパーでも大評判 |

「安全な野菜を作っています」と佐々木徳治さん |
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