学校給食へより多くの地場産農産物の利用を進めている北上市。平成17年度からは市内産野菜や肉を使った給食「きたかみカレーの日」を実施し、子どもたちも楽しみにしている。市内には3つの給食センタ−があり、今回は江釣子地区と和賀地区を中心にした小・中学校と幼稚園を合わせ約3300食の給食を作っている、北上市西部学校給食センターを訪れた。

小・中学校9校に幼稚園4カ所分の給食を調理する |

蒸らしも撹拌(かくはん)も行える炊飯システム。
だからご飯がおいしい |
下処理室ではさっそくカレー調理の準備が始まっていた。タマネギにニンジン、ジャガイモそしてアスパラガスとメインの野菜はもちろん、豚肉は北上特産の「しらゆりポーク」、ご飯にも北上産ひとめぼれが使われている。「タマネギとジャガイモに加えて、昨年まではほとんどなかったニンジンも地元のものを使えるようになりました」と、学校栄養職員の佐々木亜喜子さん。センターと関係行政機関、生産者団体の協力により、給食用野菜の作付け面積も確実に増えてきているという。

北上市西部学校給食センター栄養職員の
佐々木亜喜子さん(右)と石川ちひろさん |

調理員は22人。地域の味をよく知るベテランも多い |
この日の献立は、きたかみカレーとご飯、ほうれんそう入りオムレツ、プレーンヨーグルト。
市内で共通に実施されているカレー給食だが「センターごとに個性があります」と話す佐々木さんは、地域の「味」を大事にするとともに旬の地場産食材を使うように心がけている。野菜類はもちろん秋には地場の新米も登場するが、センターにはガス炊きの炊飯設備があるのでご飯の美味しさにも定評が。「教室で盛り分けて食べられるのもいいと思います」と佐々木さんはいう。

岩崎小2年生は男子20人、女子10人。みんな元気 |

お客さまも「カレーもご飯も美味しいなあ」と満足の様子 |
岩崎小学校で行われたのは、市民公募債「北上さくら債」の購入者など26人の来賓を招いての給食試食会。一緒のテーブルを囲んだ2年生30人は最初こそちょっぴり緊張していたが、カレーのいい香りにみんなそわそわ。北上産の野菜とポークがたっぷり入った美味しいカレーをたいらげる頃には、子どもたちも大人もみんな笑顔になった。「野菜が苦手な子もカレーなら大丈夫。それにみんなと一緒だから食べられるんですよね」と、先生も“カレー効果”を実感しているようだ。

「カレーは大好き!野菜も大好き!」笑顔でぱくぱく |

毎朝マラソンをしている子どもたち。
給食時間が待ち遠しい |
この日給食に使用したジャガイモは、市内の知的障害者通所授産施設「とばせ園」で栽培されたもの。施設裏手にある広大な畑では、ジャガイモはじめ大豆や二子さといも、花苗など四季を通じてさまざまな農産物が作られている。収穫物はていねいに手で選別しているが、特に給食用のジャガイモは大きくて切りやすいものを選ぶなど実に細やかな気配りだ。「給食だよりで紹介してもらいましたし、利用者もカレー給食のことはよく知っています。なにより子どもたちに『このジャガイモはとばせ園のだよ』と言われるようになったのがうれしい」と、施設主任の渡邊眞吉(まさよし)さん。ジャガイモの作付けも昨年の3haから今年は5haに増えたほか、来年はタマネギの納品も目指している。さらに「今後は畑の大豆を利用した味噌を作って、給食にも提供できるようになれば」と、夢はますます広がっている。
北上の地産地消給食の推進には、たくさんの人の思いと期待も一緒に込められていた。

ジャガイモはまず目で大きさを確認し、重さを量って選別していく |

L・M・Sの3サイズに選別されたジャガイモ。ていねいな作業だ |

人気のビオラ苗。ほかユリの球根なども栽培している |

とばせ園の畑。農産物は市内の産直やデパートなどにも出荷される |

「美味しい野菜をどうぞ!」。とばせ園主任の渡邊眞吉さん(右)と利用者のみなさん |
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