ごろごろと転がる大きなサトイモ、ずっしりと重さのある豆腐、そして鮮やかなオレンジ色のニンジン。今朝も奥州市立衣川学校給食センターには、地域の食材が届けられた。「作付けも増えていますし品種などもセンターに聞いてくれるなど、生産者のみなさんが給食を意識してくれているんです」と、学校栄養士の小野寺真由美さんも頼もしそうだ。
10年以上前から地場産食材の給食利用が始まっていたという衣川区。その活動を現在支えているのが、多彩な作物を生産する「フレッシュアグリグループ」、100パーセント奥州市産の大豆を使った豆腐作りを行う「がんばりかあちゃんの会」、そして無農薬栽培にこだわる「野菜ハーモニー」と、それぞれに特色ある産直活動を行う3つのグループだ。「そんな地域の作物や生産者のことを子どもたちに伝えたい」と、小野寺さんも「給食だより」での訪問レポートや各学校を回っての栄養指導などを積極的に行っており、作付量アップをはじめ今回納品されたサトイモも生産者と給食センターの交流から実現した成果のひとつだという。「野菜を作る人と調理をする人、どちらの『顔』も見える給食が衣川のいいところです」と話す。

センターで作る給食は3つの小中学校合わせて440食 |

センター炊飯だからご飯の種類もいろいろ |
この日の献立は、芋の子汁、鮭のちゃんちゃん焼き、梅干しを添えた五穀めし、りんご。
サトイモや豆腐、ニンジンが入った芋の子汁はもちろん、味噌だれで味付けした鮭のちゃんちゃん焼きの付け合わせにも季節の野菜をたっぷり使った。またセンターではご飯も炊いており、五穀めしには衣川産のハトムギはじめ古代米、ヒエまで入って栄養価ばつぐん。「ハトムギのほかにもエジプト原産の野菜・ガルギールやモロヘイヤなど、衣川の特産品は意識して使っている」と話す小野寺さん、作る献立は和食が中心のバランス食。さらに生産者から作り方を教えてもらったという「はっと」や餅などの郷土料理も取り入れるなど、地域の食文化もたいせつにしている。

小野寺さんから給食のお話を聞くのも楽しみ |

衣里小学校の4年生のクラスを訪問した |

ハトムギやヒエ入りのご飯も梅干しも「おいしい!」 |

「今日の給食もおいしい」カメラに向かって、ピース! |

栄養士の真由美先生に給食のリクエストもしたよ |
ニンジンを納入した「野菜ハーモニー」は、JA岩手ふるさと女性部の9人で構成されるグループ。「子どもたちが食べるのだから」と、農薬を使わずにたい肥や米ぬかを使い、安心安全な野菜づくりに取り組んでいる。会員の佐々木和子さんの畑には、雪にも負けず葉を広げるニンジンがいっぱい。「ちょっと形は悪いけど、香りが濃くて美味しいんですよ」と話す佐々木さん、実は郷土料理もお手のもの。手作りのお菓子や惣菜には、給食の献立に役立つアイデアもありそうだ。

手前左から成田優子さん、小原喜代さん。後ろ左から、吉野生美さん、高橋博美さん、菊地恵梨子さん |

「生産者との交流を大事にしています」と栄養士の小野寺真由美さん |
給食タイムは衣里小学校へ。子どもたちは「給食に出るものはみんな好き!」と、ご飯もおかずも残さずぱくぱく。すぐそばの産直「りんどうの里産直ころが」と協力して野菜の種まきから収穫までを体験したり生産者による食育授業などが、衣川の恵みに感謝して食べる気持ちを育んでいるのだろう。ひとり一人の机を回りながら給食の感想を聞く小野寺さんも、とてもうれしそうだった。

「野菜ハーモニー」のみなさん。左から、鈴木修子さん、千田恵美子さん、千葉鈴子さん、佐々木和子さん |

「自分で作った作物が一番おいしいですね」と佐々木和子さん |

昨秋植えたタマネギは、6月まで手間ひまかけて育てていく |

佐々木さんは料理上手。
テーブルに並んだ惣菜やお菓子はみんな美味! |
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