|
さんまは秋の味覚の代表選手。特に9月から10月にかけて三陸沖で穫れるさんまは、脂ののりもよく美味しいと評判の逸品だ。そこで年間水揚げの45パーセントがさんまで占められる“さんまの町”大船渡市では、大船渡市学校栄養士会の提唱により毎年9月30日を「さんまの日」と定め、市内小・中学校の給食にさんまを取り入れた献立を提供している。
|

学校栄養士、佐藤さんから「さんまの日」のお話を聞く越喜来小学校の児童
|

JA大船渡女性部越喜来支部から届いた野菜。夕顔の大きさにびっくり!
|

みずみずしい米崎りんご。この日は「つがる」が納品された
|
三陸町の小・中学校、幼稚園合わせて約500食を提供している越喜来学校給食共同調理場でも、献立の主役は旬のさんま。さらに学校栄養士の佐藤京子さんは「海の幸と山の幸を一緒に食べることで元気になると伝えたい」と、野菜や果物も一緒に取ることのできる献立作りに気を配る。また各校へ栄養指導にも出向き、児童に食材の栄養などを紹介している。今回は、朝礼時間を利用して越喜来小学校でさんまについてのレクチャー。佐藤さんが箱から生のさんまを取り出した途端、児童から「わーっ!」と歓声があがった。
|

かたくり粉をまぶしたさんまを揚げる。パリッと香ばしいごちそうに
|

りんごは皮付きで提供。洗浄には徹底的に気を配る
|

学校栄養士の佐藤京子さん。「魚やわかめなど地場の食材にご飯とみそ汁を合わせた日本型の食事を大事にしています」
|
この日の献立は、さんまのかば焼き、ごぼうサラダ、わかめのみそ汁と白飯、そして米崎りんご。
さんまのかば焼きは、油で揚げたさんまの開きを甘辛ダレにからめた人気メニュー。ごぼうサラダの野菜はもちろんのこと、みそ汁には三陸わかめはじめ地元産の夕顔や大根が使われ、出汁には三陸町直売組合長の菊地啓悦さんが手作りする天然素材の調味料「煮物のだし」を隠し味に使用している。地場産食材が多彩なのも越喜来の特徴だ。
|

調理担当は、写真後ろ左より岡崎淳さん、志田久美さん、沢田結子さん、手前左より、 沢(からむしざわ)容子さん、伊藤真奈美さん、熊谷君子さん
|

三陸町直売組合長の菊地啓悦さん。自然素材だけを使った調味料「煮物のだし」を手に
|

JA大船渡女性部越喜来支部の古水惠子さん(右)と森幸代さん
|
野菜を供給する生産団体のひとつはJA大船渡女性部越喜来支部。支部長の古水惠子さんと幹事の森幸代さんは「子どもたちに食べてもらえるのが励みになっています」と微笑む。「安全なものを子どもたちに提供したい」と話す菊地啓悦さんは三陸町直売組合の組合長として55名の農漁家の出荷取りまとめに奮闘する。オリジナル調味料「煮物のだし」は、自らが栽培するシイタケとアジの煮干しを粉末にしてブレンドにした商品で、直売所での人気も上々。デザートの米崎りんごは市場での評価が高い陸前高田市の特産品。生産者の大和田正人さんは130アールの果樹園で、さんさやつがる、千秋などを栽培している。「自然に近い栽培法がおいしいりんごを作る」と除草剤や殺虫剤を使わずに育てたりんごは、小振りながら酸味と甘みのバランスが絶妙だ。
|

高台にある森さんの畑からは越喜来湾が見渡せた
|

9年前にジャガイモから始まったJA女性部の納品。今では年間を通し多彩な野菜を提供
|
甫嶺小学校では、佐藤さんから食材のお話を聞きながらの給食タイム。香ばしいかば焼き、彩りもきれいな野菜のサラダ、具沢山のみそ汁に「おいしい」「もっと食べたい」の声が聞かれた。
「子どもの味覚は成長していくものですから、色々な味の経験をさせたいんです」と佐藤さん。大船渡の恵みにこだわった給食が、子どもたちの地域の食の理解へとつながっている。
|

米崎りんご農家の三代目にして栽培暦30余年の大和田正人さん。味と品質にこだわったりんごには全国から注文が舞い込む
|

大和田さんの果樹園には樹齢100年以上を数える古木が。フジが接ぎ木されている
|
|