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次々と出入りする軽トラックが、田園地帯に朝の始まりを告げる。朝7時半、ここ紫波町学校給食センターは給食用の食材納品の真っ最中だ。搬入口に並んだトラックの荷台シートの下から現れたのは、カボチャやナス、ジャガイモなど旬の野菜。「今日はナスを持ってきました」「うちはカボチャ」―納品チェックを受けている荷主は、町内農家で組織された「紫波町学校給食食材生産供給組合」のみなさんである。
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毎朝、組合加入農家がそれぞれ納品に来る
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納品物を確認する阿部さん。作付・生育と納入時期は組合員参加の月例会で聞き取る
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給食用に使うのは減農薬・減化学肥料などの特別栽培米「紫波米(しあわせまい)」
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地産地消を積極的に推進する紫波町では、学校給食に地元の食材を使う取り組みを進めている。ひとつが前述の供給組合の設立で、現在は町内農家43戸と4つの生産組織が加入。平成16年からは米飯給食用の米もすべて町内産ひとめぼれでまかなっている。「気候に恵まれ多品種の農産物が生産できる紫波だから献立も工夫できるんです」と話すのはセンターの学校栄養士、松倉久子さん。同じく栄養士の長岡智子さんと二人で献立づくりを行っている。
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学校栄養士の松倉久子さん(左)と長岡智子さん。「食品数を多く、日本型の食事を心掛けています」
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給食センターで作るのは町内14の小中学校約3600食分
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約900食分の大鍋でラタトゥイユを作る。今回は食べやすい汁物に仕上げた
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この日の献立は、ラタトゥイユとバターポテトコーン、枝豆オムレツに冷スティックパイン。
ラタトゥイユは夏野菜を使った南仏の煮物で「トマトの酸味が食欲をそそり、煮込むから野菜をたっぷり食べられます」と長岡さんもおすすめの料理。トマトはもちろんナス、タマネギ、ピーマン、カボチャ、ズッキーニも町内で収穫されたものだ。バターポテトコーンは洋風肉じゃがといった料理で、子供たちに大好評の一品。この秋はカボチャやジャガイモのコロッケを、今後は町内産の牛肉や豚肉も取り入れる予定というから、給食時間がますます楽しくなりそうだ。
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学校田を管理するのは6年生。農家のアドバイスを受けながら餅米を栽培している
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たくさんの野菜が植えられた学校農園。収穫物は地区民にもふるまわれる
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学校の回りに広がる田んぼ。ここで収穫された米も学校給食用の「紫波米」になる
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組合の前身は昭和62年頃からはじまった農家女性たちの自主活動。「当時は輸入農作物の恐さが問題になっていた。子供たちに安心な野菜を食べさせたいと供給を始めたの」。代表を務めていた阿部京子さんは振り返る。そんな親の願いを行政もバックアップ。組合活動を担当する農林振興室主査の阿部薫之さんは「市場流通にのらない産物などもっと品目を増やしていきたい」と、新しい作物のリサーチや提案を行っている。
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紫波町学校給食センターに勤務する調理士のみなさん
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農林振興室主査の阿部薫之さん。町の目指す循環型農業と食育活動を推進
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昭和62年頃から地区農家の供給リーダーとして活躍した阿部京子さん。果樹や畜産の合間にさまざまな野菜を栽培している
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給食センターにも近い星山小学校の給食にお邪魔した。場所柄組合に加入する農家の子供たちが多く、「○○君のおばあちゃんが作った野菜」「うちのジャガイモ」と食材への親しみもひとしおな様子。また学校田や学校農園作りで栽培の苦労や喜びを体験し、秋の収穫祭では地域の人たちとも交流している。「次の代へいいものを伝えたいと願う人が多い。地域ネットワークの素晴らしさを感じています」と校長の小池朝子先生は微笑んだ。
紫波の子どもたちを健やかに育むのは、ふるさとの大地の恵み、そして大人たちの願いだ。
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8月の給食に登場した夏野菜のカレーも大好評だった。米飯給食は週4回
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