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「いただきまぁす!」
ランチルームに響く元気な声で、大迫小学校の給食タイムが始まった。
この日のメニューはフキなどが入った豆腐汁に、主菜はアーモンド風味の鮭のカレー焼きとキャベツや水菜など春野菜の和え物、デザートは輪切りバナナ入りのフルーツポンチ。バランスのよさはもちろんだが、実は今回の給食レシピでの注目はご飯。地元産あきたこまちに同じく地元で取れたヒエ・アワ・イナキビの3種の雑穀が入ったブレンド米「権現米」が使われている。
全国一の雑穀生産地である岩手県の中でも、近年急速に生産量が増えているのが花巻地方。今や収量・栽培面積ともに県内トップを誇るまでになっており、6年ほど前に5月9日の日付けを「ざ・5(ご)・9(く)」と読み換えた「雑穀の日」を提唱。以来、毎年この日は市内飲食店ほか38の小中学校でも、雑穀を利用した給食メニューが提供されてきた。
「雑穀は精白米よりも栄養価が高いし、よく噛むため満腹感も得られるんですよ」。そう教えてくれたのは、花巻市教育委員会大迫事務所の栄養士で、今回の雑穀ブレンド米を使用した特別給食の献立を構成した伊藤真紀さん。ポイントは雑穀入りのご飯に魚という組み合わせに野菜を添え、おいしくて体にもやさしい和食中心のメニューにしたことという。
鮭はカレー粉やしょうゆなどの調味液につけ込んだ後、オーブンで焼いてからアーモンド粉をふりかける。和え物の野菜は全て湯通しをして冷水にとり、水気を切って調味料をもみこむよう混ぜる。ちなみにみそ汁に使った味噌と豆腐は大迫の農産加工グループ「のぞみ工房」の製品。手作りならではの大豆の甘み、そして県産材料のみを使っている安心感から学校給食でも利用されている。
調理師の川村邦子さんが心がけているのはあっさりとした味付け。「飽きずに食べられるし、食材の味もわかります」と話す。大迫では学校ごとに地区の農家と食材の供給契約を結んでおり、同じ料理でも食材の採れる地域により味が違うという。食材の繊細な味をいかすには、味付けも控えめがいちばん。
ご飯に入っていた雑穀の生産者のひとり、川村孝信さんは亀が森地区で1.5ヘクタールのヒエと3反部のイナキビなどを栽培。10年ほど前、休耕田を利用した雑穀栽培に取り組む「雑穀研究会」を有志と立ち上げて以来、大迫の雑穀生産のリーダーとして普及にも努めている。「無農薬での雑穀栽培は雑草との戦いだが、克服できた時がやっぱりうれしいね」と微笑む。
「僕たちの体の成長を支えてくれる給食を、これからも栄養を考えて食べたいです」と感想を発表したのは給食委員長の佐藤祐也君(6年)。地元のおいしい食べ物が、大迫小学校のみんなの元気のもとだ。
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